知らない単語が出てきた!どうしよう!?
………皆さんは英語を勉強していてこんな場面に出くわしたことはありませんか?おそらくないという方はいないでしょう。すべての単語を知っているなんて、ネイティブでも不可能です。
では、どうすればいいのでしょうか?ここで、英語学習(というか語学学習)において最も重要な技能のひとつが求められます。それは、「類推」する力です。
みなさん、抑「類推」という言葉はご存じでしょうか?
いきなり「抑」って漢字が挟まっているけど誤字か?と思ったアナタ、いいえ、これは正しい日本語です。では、何と読むでしょうか?先にググって調べるのはNGですよ!一度考えてみましょう。
そう聞かれたら、あなたはどう考えるでしょうか?「ヨク」や「おさ(える)」という知っている読み方から推測してみる?あるいはこうした文章で「抑」という部分に入りうる語彙を想像してみる?漢文の勉強をしていた時にこんな語彙は出てこなかったか?などなど、考える道のりは様々でしょう。
さて、答えは出ましたか?では、答え合わせです。
ここでの「抑」は「そもそも」と読みます。常用漢字の読みには含まれない「表外の読み」なので、漢検準1級・1級レベルの難易度です。一発で読めた方は自慢できます(笑)。
ではではこの余談っぽいお話を踏まえて、本題に戻りましょう。
みなさん、抑「類推」という言葉はご存じでしょうか?
さて、先ほどの例題(?)を通してピンときた方もいるかもしれません。先ほど皆さんは知らない単語に出くわしました。そのときに何をしましたか?そう、「推測」です。ググって検索をNGと言われた以上、あらゆる持てる知識を使って意味を推測しようと試みたのではないでしょうか。ところで、「類推」にも「推測」の「推」が入っていますよね?そして片割れは「類義語」とかでおなじみの「類」です。もうイメージはできたのではないでしょうか?
「類推」とは、「知っている単語に共通する特徴的な要素や部分を基にして、知らない単語の意味を推測する」ことです。共通する(類似した)情報から推測するという意味から「類推」と呼びます。
ここまでの流れをきちんと読んだアナタであれば、推測の練習を通してイメージが付いたかと思います。
【豆知識】
「類推」は英語で「アナロジー(analogy)」とも言います。評論文などではしばしばお目にかかることもある重要な現代文単語でもあるので、ついでにひとつ賢くなりましたね。
……つい長話を書いてしまいました。本題に戻りましょう。英文を読み進めていれば、知らない・見たことない単語に出くわすことは誰しもあるはずです。これは当然のこと、「抑」のように、日本語ですら意味を知らない単語に出くわすことがあるのですから、英語ならなおさらです。ですが、1単語わからないからといってその文章が全く読めないようでは先へ進めません。大した内容がない文章ならいいですが、その段落のキーセンテンスだったり、和訳を求められた問題の下線部だったりしたら困ったものです。
そんな時に求められる力が、「類推」する力。知っている単語を用いて推測する方法です。一番簡単な例は、知っている語彙の品詞違いでしょうか。
“identity”という語を例にとりましょう。日本語でも「アイデンティティ」と言ったりしますね。代表的な和訳例は「自己同一性」。簡単に言えば「自分は他の何者でもなく自分であるということ」もっと抽象化すると「間違いなくそれであること」です。詳しい意味は辞書でも引いてみてください。心理学や社会学から来ている用語でもあるので、それだけで1本記事が書けちゃいます。この意味を知っていれば、類義語の”identical(同一の、同様の)”や”identify(同定する)”といった単語は比較的推測しやすいでしょう。「間違いなくそれである様」=「同様の」ですし、「間違いなくそれであるとする」=「同定する」です。1つ単語を知っているだけで、ややこしい2つの単語までセットで理解できてしまいました。知らなくても、「間違いなくそれであること」という根幹だけ理解していれば推測は可能です。
言語学習は類推の積み重ね
いかがでしょうか?随分長々と書いてしまいましたが、英語に限らず語学学習全般において、推測しながら読み進めるということが非常に重要であり、こと外国語においては限られた語彙の知識をフル活用して「類推」することが求められると実感していただけたでしょうか。
この類推の精度を上げていくことが、スピーディーに、かつ正確に英文を理解できるようになっていく上で重要なことです。ですが、なぜかこのことを教えてくれる学校は少ないように思います。
皆さんが英単語学習に励めといわれる根拠はもちろん英文を読めるようにするためですが、同時にこの類推の精度を上げるためでもあります。使える語彙が多ければ多いほど、推測する元手が増えるわけですからね。
この考え方を習得するだけで闇雲に大量の単語を覚えなくとも、そのうち何分の1かを覚えるだけで残りは推測すればよいという考え方もできます。そう思えば、ぐっと単語学習が楽になるような気がしませんか!?
そう、覚える単語が1つ増えるだけで、覚えるべき単語は3つや4つまとめて習得できたようなものです。お得ですね!
皆さんも類推の練習を意識しながら、単語学習に取り組んでみてください!効率が上がること間違いなしです!
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