【コラム】受験に限らず最重要の科目とは何か

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…………「いきなり何を聞くんだろうこの人は?」と思いましたか?
私も思います(笑)。ですが、これは実際に私がある受験関係のお話を母校にてした際に、ある生徒から聞かれた質問です。

今回は、

  • 何から勉強に手を付けてよいかわからない
  • 苦手科目の克服に苦戦している
  • ひとつのタスクに時間がかかってしまい試験や勉強で苦労している

こうした方々への助けともなるお話をしましょう。

最重要科目は一体何なのか?

さて、前置きもほどほどにして本題に戻りましょう。私がその生徒から受けた質問は正しくは以下の通りです。

勉強ってどの科目を一番重視したらいいんですか?

おそらく彼は受験を意識した質問だったのでしょうが、答えに非常に悩む質問です。なぜなら、受験を念頭に置いた戦略の話をするのであれば「得意科目の安定化と苦手科目の克服」をバランスよく目指していくことが必要だからです。もちろん、大学受験ともなると志望校の傾向に合わせて「傾斜配点」なんかも意識する必要があるでしょう(そのうち詳述します)。ですがお話の場が個別相談ではなく多くの方の耳に入る環境だったこともあり、私はこのときは敢えてこう答えました。

まずは国語、中でも現代文を最も重視しましょう

この答えは大学に進学した後の今になっても間違っていなかったなと実感しています。

なぜ国語なのか?

ではなぜ国語が最重要なのでしょうか?理由は簡単、母国語だからです。

皆さんは普段学習していて数学の問題を解くとき、問題は何語で書かれていますか?
数字?ええ、確かに使われています。しかし数字だけで問題が成立するのは小学校の計算ドリルぐらいのもの。実はあのドリルだって、一番上には大抵こういった文があります。

次の問いに答えなさい。

きっと誰しも見たことのある一文でしょう。それなのに、当たり前すぎて誰もがわざわざ読んだりしない一文でもあります。

ですが、重要なポイントは言語です。日本語で書かれていますよね?そう、数学の問題だって日本語で書かれているんです。上の例は極めてシンプルな例ですが、以下の場合だとどうでしょう。

点Pは一辺が4cmの正方形ABCDの頂点Aを出発し、1cm/sの速度で時計回りに進みます。点Qは頂点Cを出発して2cm/秒で反時計回りに進みます。では、この2つの点PとQが初めて1つの頂点で重なるのは何秒後に、どの頂点でしょうか。

よくある数学の文章題ですね。適当に考えながら書きましたが、久々に思い返しても「動くなよ、点P」と言いたくなります(笑)。

さて、ここでは重要なのは問題の答えじゃありません。大事なのは、「文章題」という名の通り、問いが日本語の文章で書かれているということです。
つまり、我々はこの文章題を解く際の最初のステップとして、問題文を読んで内容を理解するという段階を必ず通っているのです。知らず知らずのうちに読解問題を解いているとも言えるでしょう。
その段階を経て問題を方程式をはじめとした様々な数式に変換し、問題を解いているわけです。

これはもちろん数学に限った話ではありません。理科だって社会科(地歴・公民)だって同じです。英語でさえ、結局は英文を日本語に翻訳して読解問題を解くのですから、日本語を用いない科目というのは1つとしてないのです。
(英語での日本語(国語)の重要性は「英語を勉強するためにはまず国語を勉強しよう」といえる単純かつ重要なワケという記事に書いていますのでそちらをご覧ください。)

どうでしょうか?国語の重要性がわかってきましたか?きちんと国語を勉強し、問題文で問われていること、書かれているヒントを素早く、正確に読み解く力が身に着けば、

  • 数学で見落としていた解き方へのヒントが見つかるかもしれない
  • 長々と書かれた文章題で重要な要素を素早く理解でき、時短につながる
  • 勉強に限らず、大学より先の「学術書・論文を読む」などの学問にも大いに役立つ

こういった様々な利点を得ることができます。

皆さんも日常生活で慣れ親しんだ言語だからって疎かにせず、ぜひ国語を大切に学んでください
ちらっと言及しましたが大学に入ってからは、特に人文・社会科学系に興味のある方にとっては論文や学術書を読んで、レポートを書いてという学問の行為が日常となりますので、知的体力を養う意味でも、非常に重要なことです。絶対にいいことしかありませんので、早いうちから大事にしましょう。

ちなみに、上の方に出てきた点Pと点Qの問題の答えは「8秒後、点C」です。皆さんは解けましたか?図を描いたりして考えてみてくださいね。

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